『地理院地図』、『角川日本地名大辞典』、『日本歴史地名大系』から、「佐藤」を含む地名を検索した(参考資料参照/現在までに行政上の地名としては廃止された名称も含む)。
概要
「佐藤」を含む居住地名(住所に使われる名称)は全国に22例、自然地名(河川や山、島などの名称)は4例ある。うち半数以上が北海道・東北地方の地名である。
多くは由来不詳だが、いずれも佐藤氏による開発・所有が契機と思われる。
居住地名
東北
- 佐藤ケ平(さとうがだいら)
- 青森県むつ市大畑町佐藤ケ平
- 由来不詳。
- 佐藤(さとう)
- 青森県三戸郡五戸町浅水
- 由来不詳。
- 佐藤橋(さとうばし)
- 青森県三戸郡南部町沖田面佐藤橋
- 佐藤兵衛の館(通称・佐藤館)が所在したことに由来するが、年代不詳。
- 佐藤部(さとうべ)
- 岩手県紫波郡紫波町平沢佐藤部
- 由来不詳。
- 佐藤沢(さとうざわ)
- 宮城県白石市小原佐藤沢
- 由来不詳。
- 佐藤前(さとうまえ)
- 宮城県遠田郡美里町福ケ袋佐藤前
- 由来不詳。
- 佐藤庄司町(さとうしょうじまち)※18世紀初頭までに廃止
- 山形県米沢市大町・相生町[付近]
- 平安時代末期、信夫庄司佐藤元治の弟という佐藤正信の別邸と庭園が所在したことに由来する。
- 佐藤六(さとうろく)
- 福島県田村郡三春町貝山佐藤六
- 由来不詳。
- 佐藤分(さとうぶん)
- 福島県河沼郡会津坂下町三谷佐藤分
- 江戸時代末期に谷地村(会津坂下町三谷谷地)の佐藤利祖兵衛が開発したことに由来する。
- 佐藤畑(さとうはた)
- 福島県双葉郡浪江町南津島佐藤畑
- 由来不詳。
関東
- 佐藤町(さとうちょう)※1982年廃止
- 埼玉県川口市東川口六丁目、戸塚東四丁目[周辺]
- 由来不詳。近世は足立郡戸塚村佐藤新田。現在も町会や公園、神社などに名称が残る。
中部
- 佐藤池新田(さとうがいけしんでん)
- 新潟県柏崎市佐藤池新田
- 由来不詳。「左藤池新田」とも。
- 佐藤(さとう)
- 静岡県浜松市中区佐藤一丁目〜三丁目
- 佐藤氏が開発したことに由来する。近世は敷知郡佐藤一色村、あるいは佐藤村とも。軽微な区域変更を伴い、1925年に佐藤町、1994年に佐藤一丁目〜三丁目へと変更された。
- 佐藤・佐藤町(さとう・さとうちょう)
- 愛知県豊橋市佐藤一丁目〜六丁目および豊橋市佐藤町
- 吉田(豊橋市今橋周辺)出身の佐藤氏が開発したこと由来するが、年代不詳。近世は佐藤村、あるいは左藤村とも。
- 佐藤(さとう)
- 愛知県田原市大久保町佐藤
- 由来不詳。
近畿
- 佐藤町(さとうちょう)※1975年までに廃止
- 大阪府大阪市北区大深町[付近]
- 由来不詳。近世は西成郡北野村佐藤。1900年に北区北野佐藤町として発足後、大淀区や福島区などと分割・統合を繰り返し、いずれも1975年までに廃止となった。当地に現存する梅北地下道は佐藤町地下道とも呼ばれた1。
- 佐藤ノ町(さとうのちょう)
- 和歌山県和歌山市畑屋敷兵庫ノ丁
- 兵庫ノ丁の別称。佐藤兵庫の屋敷が所在したことに由来するが、年代不詳。紀州藩士に佐藤家が2家ある。
- 気佐藤(きさと)
- 和歌山県日高郡みなべ町気佐藤
- 由来不詳。近世は日高郡気佐藤(けさとう)村で、袈裟藤村とも。
中国・四国
- 佐藤(さとう)
- 岡山県新見市哲西町上神代佐藤
- 由来不詳。
- 佐藤(さとう)
- 島根県出雲市石谷町佐藤
- 由来不詳。
- 佐藤(さとう)
- 香川県高松市鬼無町佐藤
- 由来不詳。
- 佐藤塚(さとうづか)
- 徳島県板野郡上板町佐藤塚
- 佐藤豊後守が“すか”(砂州)2を開発したことに由来し、当初は佐藤須賀(さとうずか)村と表記した。戦国時代末期には佐藤須賀城が所在し、佐藤長勝が居城した。
自然地名
河川
- 佐藤川(さとうがわ)
- 北海道紋別郡遠軽町栄野を流れる河川。湧別川の支流。
- 佐藤の沢川(さとうのさわがわ)
- 北海道常呂郡佐呂間町共立・大成を流れる河川。オンネルベジベ川(佐呂間別川の支流)の支流。
- 佐藤川(さとうがわ)
- 北海道釧路市阿寒町上舌辛北を流れる河川。舌辛川(阿寒川の支流)の支流。
用水路
- 佐藤堰(さとうぜき)
- 青森県十和田市切田から上北郡おいらせ町百石を経て太平洋に注ぐ用水路。19世紀半ばに藤田源内(旧姓・佐藤)が着工したことに由来する。のち、大光寺氏が竣工させたため「大光寺堰」とも。
参考資料
- 国土地理院『地理院地図』(maps.gsi.go.jp)
- 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典』(角川書店,1978-1990)
- 『日本歴史地名大系』(平凡社,1979-2004)
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