発展編
同族を表す称について
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日本の歴史上の同族を表す称の一般的な語義と,それらの当サイトにおける使い分けは下記の通りとします。
姓(かばね)
- 古代以来の「氏」に対応する家柄の称をいいます。
例: 朝臣,宿禰など
姓(せい)
- 古代の戸籍における,身分等に対応した血縁集団または職能集団の称をいいます。
- 必要に応じて「氏」の接尾語としても用いることがあります。
例: 藤原姓足利氏に対する源姓足利氏など
氏
- 古代以来の血縁集団または擬制的血縁集団の称をいいます。
例: 藤原,源,平,橘,物部,蘇我,大江,中原,清原など
例: 藤原氏,佐藤氏など
名字
- 平安時代後期以降の武家などにおける,氏の下位区分として世襲される称(主に血縁集団を指す称)をいいます。
例: 佐藤,二階堂,佐々木,太田,三浦,北条,楠木など
苗字
- 近世に浸透した「名字」の異表記です。
- ただし,当サイトでは,主に本来的な表記である「名字」を用いますが,近世以降の庶民の称については「苗字」を用いることがあります。
- 特に,明治年間以降は,同族を表す称が混用されているため,これらの総称的な意味合いで「苗字」を用います。
家名
例: 近衛,九条,鷹司,西園寺,徳大寺,花山院,中山など
屋号
- 主に近世の農家や商家において,苗字とは別に,家ごとに付けられた称をいいます。
例: 大屋,新宅,紺屋,紀伊国屋,甚兵衛屋敷,坂下,大東,成田屋など
参考文献
- 『改訂新版世界大百科事典』(平凡社,2014)
- 「姓氏概説」『角川日本姓氏歴史人物大辞典』(竹内理三[ほか]編,角川書店,1989-1998)
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